退職勧奨時の合意書の作り方|法的リスクを回避するための注意点を弁護士が解説

更新日: 2026.02.28
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問題社員を退職してもらうために行うのが退職勧奨です。その際に非常に重要となる文書が退職合意書です。退職合意書を作成しない、あるいは、作成したものの不十分な内容である場合、退職後の新たな労働問題を招くリスクがあります。

そのため、紛争を終局的に解決させるためにも、漏れの無い退職合意書を作成しておくことが重要です。

ただ、退職合意書を作成してもらいたいがために、無理矢理合意書にサインをさせたり、内容の説明をすることなくサインをさせることは控えるべきです。

本記事の目的は、企業が退職勧奨を行う際に必要な退職合意書の作成方法と、その作成理由を理解し、トラブルを未然に防ぐための知識を提供することです。

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退職勧奨とは何か?

退職勧奨とは、会社が社員に対して自主退職や合意退職することを提案する行為を指します。

退職勧奨は、業績悪化や組織再編などの理由で会社が人員整理を行う必要がある場合だけでなく、ローパフォーマンスや協調性欠如などの問題社員に離職してもらう場合に用いられます。

退職勧奨に応じるかは社員の自由

退職勧奨に応じるかどうかの決定は社員の自由です。

退職勧奨は労働契約の解消を提案するものにすぎず、これに応じるか否かは社員の意思による必要があります。つまり、退職勧奨には法的な強制力がなく、社員を強制的に退職させることはできません。 

社員が退職勧奨に応じるかどうかを判断する際には、提示された退職条件や自分の将来のキャリア、経済的な状況などを十分に考慮するのが通常です。会社としては、退職勧奨を成功させるため、社員の意向も踏まえて適切な退職条件を提示することが大切です。 

退職合意書とは何か?

退職合意書は、社員と会社の間で退職に関する取り決めを明文化した書類であって、退職に伴う条件や労使間の権利義務を明確にするための重要な文書です。

退職合意書を作成することで、退職者と会社の間で不明瞭な点を排除し、後々のトラブルを未然に防ぐことが可能です。

退職合意書の拘束力

退職合意書は、従業員と会社の双方において法的な拘束力を持つ重要な書面です。

退職合意書を作成することで、双方が合意した内容を明確にし、合意内容の履行を義務付けることができます。

退職合意書により労使間を拘束することができ、退職後のトラブルを未然に防ぐことができます。そこで、退職合意書をしっかりと作成することで、従業員と会社双方にとって円滑な退職手続を実現できるでしょう。

退職合意書と退職届との違い

退職合意書と退職届は目的や内容が異なる書類です。

退職合意書は会社と社員が退職の詳細について合意するための契約書であり、退職届は社員が一方的に退職の意思を表明する書類です。

例えば、退職合意書には退職日や退職理由、退職金の処理方法などが明記されており、これにより退職に伴う条件が明確に定められます。それに対し、退職届には主に退職の意思だけが記載されているだけであり、詳細な退職条件は明記されません。つまり、退職届だけでは、退職後に労使間の紛争を蒸し返してしまうリスクがあります。

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退職合意書を作成するべき理由

退職合意書を作成することで、退職に関連する様々なリスクを最低限に抑えることができます。以下では、特に重要な理由について詳しく解説していきます。

退職強要のリスクを排除できる

退職合意書を作成することで、退職強要のリスクを排除することができます。

退職合意書は、従業員が意思に基づいて退職に合意した証拠となり、会社側が退職を強要したわけではないことを明確に示す証拠となります。

合意書を作成せずに退職勧奨により退職をさせると、退職後に退職を無理矢理迫られたなどと主張をしてくるケースもあります。

退職合意書を作成することで、後日退職強要を理由に訴訟を起こされるリスクを回避できます。退職合意書を用いることで、退職に関するトラブルを未然に防ぎ、企業を守ることができます。

退職日や退職理由を明確にできる

退職合意書を作成することで、退職日や退職理由を明確にできます。

退職届だけでは退職理由が明確になりませんが、退職合意書を作成することで退職日だけでなく退職理由も明らかにさせることができるため、後のトラブルを避けることができます。

債権債務関係を整理できる

退職合意書を作成することにより、債権債務関係を明確に整理することができます。

退職時における労使間の権利関係の清算を行うためには、双方の合意を明文化しておくことが重要です。これにより、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。

ただし、未払いの残業代や退職金があるにもかかわらず、これを秘密にして退職合意書を作成しても、これらの未払い賃金は清算されないと認定される可能性は高いため、十分に留意しましょう。他方で、未払いになっている賃金の金額を具体的に、これらを放棄する十分な理由が労働者側にある場合には、未払い賃金も含めて清算できる可能性はあります。

すなわち、単に退職合意書内で清算規定を設けるだけでは、賃金も含めたあらゆる権利義務関係が無くなるわけではありません。

機密情報や顧客情報の流出を防げる

退職合意書は、機密情報や顧客情報の流出を防ぐために非常に重要です。

退職に際して、退職者が会社の貴重な機密情報や顧客情報を持ち出すことがあります。

営業秘密の持ち出しは、不正競争防止法違反になりますが、企業は、この営業秘密以外にも重要な情報を多く持っており、これら重要な情報の流出を防がなくてはなりません。

そこで、機密情報を持ち出した場合のペナルティを退職合意書に明記することで、退職者に対する抑止力となり、結果として情報流出のリスクを軽減することができます。

このようにして、企業は情報漏洩のリスクを最小限に抑え、円満な退職を実現することができます。

退職届の撤回を防止する

退職合意書を作成することで、社員の退職意思が明確になるため、退職届の撤回を防止できます。

退職勧奨に応じて退職届を出したとしても、労働者が確定的に退職の意思を固めているといえる場合を除いて、退職届の提出は、合意解約の申込みであって、会社が承諾する前であれば退職届を撤回することができます。

これに対して、退職合意書を作成しておくことで、労使間で雇用契約を解消する意思が合致していることが明確になります。つまり、退職合意書に社員が署名をすることで、その後に「やっぱり退職したくない」と言われても、退職合意書を根拠にこれを拒否することができます。

そのため、退職合意書を確実に作成し、文書で退職意思を明確にすることは、後日の退職届撤回を防ぐために極めて重要です。

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退職合意書に書くべき内容

退職合意書は、退職に関するさまざまな条件や約束を明確にし、将来のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。ここでは、退職合意書に書くべき具体的な内容について詳しく解説します。

退職日と合意退職の確認

退職合意書には退職日と合意退職の確認を明記することが重要です。

これは、合意退職の基本的な事項を明確にすることで、労使間の誤解や紛争を未然に防ぐためです。具体的には「労働者と使用者は、当事者間の労働契約は、令和〇年〇月〇日限り合意により円満に終了したことを確認する。」といった形で明記するのが一般的です。このように明確に記載することで、お互いの認識が一致し、トラブルを避けることができます。

労働者と使用者は、当事者間の労働契約は、令和〇年〇月〇日限り合意により円満に終了したことを確認する。

合意時から退職日までの出勤と給与の扱い

退職合意時から退職日までの出勤と給与の扱いを明確に定めておくことが重要です。

退職が決まってから退職日までの期間においては、労働者が出勤義務を負うかどうかや、その期間の給与がどのように支払われるかが明確でないとトラブルの原因となります。

例えば、退職日までの期間に関して「有給休暇を消化するのか」「通常通り出勤するのか」「一部だけ出勤するのか」などを事前に取り決めておけば、労働者と会社側の双方に混乱が生じにくくなります。また、その期間の給与が通常通り支払われるのか、特別な取り扱いがあるのかを明確にする必要があります。

退職日までの取り扱いを明確に定めることで、労働者と会社の間でトラブルを防ぐことができます。

使用者は、労働者の未消化の年次有給休暇〇日分を買い取るものとし、労働者に対して、その対価として金〇〇円を、〇年〇月〇日限り、労働者の給与支払口座に振り込む方法により支払う。

未消化の有給の処理

未消化の有給は退職時にきちんと処理する必要があります。

法律上、未消化の有給休暇を買い取ることは認められていません。ただし、例外的に、退職により未消化分の有給休暇が消滅する場合には、退職時に未消化の有給休暇を買い上げることが認められています。

未消化分を買い上げる時の例文は以下のとおりです。

使用者は、労働者の未消化の年次有給休暇〇日分を買い上げることとし、労働者に対してその対価として金〇〇円を、〇年〇月〇日限り、乙の給与支払口座に振り込む方法により支払う。

退職金や解決金の支払い

退職にあたり、労働者に対して退職金を支払う場合には、その金額や支払日を明確にします。また、退職金を支払わない場合にも、不支給とする理由や支給しない旨も明記します。

さらに、退職金とは別に解決金や割増分の退職金を払う場合にもその内容を定めておきます。

自己都合か会社都合にするか

退職合意書において、自己都合退職か会社都合退職かを明確にすることが重要です。

退職の理由を明確にすることで、雇用保険の受給条件や退職後の転職活動にも影響を及ぼすためです。

つまり、自己都合退職とされる場合、基本的に7日間の待期期間と2か月の給付制限がかかりますが、会社都合退職の場合は待期期間を経過すれば失業手当が支給されます。

退職勧奨により退職する場合には、原則として会社都合離職となります。退職合意書を作成する際には、自己都合か会社都合かを明記しておき、双方が納得する形で合意することが必要です。

使用者と労働者は、令和〇年〇月〇日をもって、雇用契約を円満に終了することで合意する。使用者と労働者は、離職理由が「会社都合」であることを相互に確認する。

口外禁止や接触禁止

退職合意書には口外禁止や接触禁止の条項を含めることが重要です。

また、退職後に元社員が、SNSなどを通じて企業の悪評を拡散することを予防したり、在籍する社員との不当な接触や引き抜きを防止することができます。

そこで、退職合意書には、正当な理由がない限り、合意書の内容や退職の経緯を口外しないことを定めるとともに、会社関係者に接触しないことを約束する規定を設けることがあります。

秘密保持義務

退職合意書には、秘密保持義務を明記しておく必要があります。

先ほど解説したように退職合意書を作成することで、退職後に営業秘密やこれ以外の機密情報が流出するリスクを防止することができます。

労働者は使用者に対し、退職した後、以下の使用者の情報について、第三者に対し、方法のいかんを問わず開示又は漏洩せず、また、自らまたは第三者のためにこれを使用しないことを約束する。
①使用者の営業秘密
②使用者の製品に関する情報
③使用者の顧客の氏名・住所及びその他顧客に関する一切の情報

貸与品の返還や私物の引き揚げ

退職合意書には、社員が会社から貸与された物品の返還や個人の私物を引き揚げる手続きを明確に記載する必要があります。この手続きを明確にしておくことは、退職後のトラブルを防ぐために非常に重要です。

制服、パソコン、ICカード、セキュリティキーなどの貸与品を返還せずに退職してしまうと、退職後に退職社員からこれら貸与品を返してもらえず、新たなトラブルを招くこともあります。

また、事業所内に社員の私物が残置されてしまうと、その処分に困ることもよくありますし、その処分費用の清算も困難となることもよくあります。

貸与品の返還や私物の引き揚げに関する条項を退職合意書に含めることで、トラブルの発生を未然に防ぎましょう。

清算条項(債権債務の清算)

退職合意書に清算条項を盛り込むことは、退職後の債権債務関係を明確にし、トラブルを未然に防止するために非常に重要です。

ただし、先ほども解説したように、単純に清算条項を盛り込むだけで、未払いの残業代などの賃金を全て放棄させることは困難です。

【参考裁判例】東京地判令和3年9月10日

したがって、本件合意書の前文の記載や本件合意書を取り交わすにあたっての原告と被告の間のやり取りからすれば、割増賃金等の支払請求権の有無やその額については、何ら触れられていないから、割増賃金等の支払請求権についても清算をする意思があったとも認め難い。そうすると、本件合意書により、原告と被告が原告の割増賃金等の支払請求権について清算したと認めることはできない。

退職勧奨の合意書作成時の注意点

退職勧奨において、合意書の正しい作成は非常に重要です。社員に対する説明と同意を得るなど適切な手続きを経て合意書を作成することが必要です。事前に複数の合意書を準備し、弁護士によるチェックを受けることも忘れてはいけません。

書くまで帰さないは厳禁

合意書にサインをするまで帰さないような対応は厳禁です。

強制的に合意書を書かせる行為は違法な行為です。仮にサインをもらったとしても、退職強要であるとして、慰謝料請求を受けるリスクがあります。無理矢理サインをさせることは論外ですが、それに至らなくても帰りたくても帰れないような状態を意図的に作り出すことも控えなければなりません。

そのため、退職勧奨をする際には、あくまでも労働者の自由意思を尊重することを徹底しましょう。例えば、面接に立ち会う人数は2人までとし、多人数の立ち合いは避けるべきです。また、面接時間も30分から1時間までとし、長時間の面談は避けましょう。さらに、持ち帰り検討したい意思を示した場合にも、労働者の意思を尊重するようにしましょう。今日中に結論を出せといった対応は控えましょう。

このため、企業側は労働者に対して執拗な圧力をかける行為を避け、退職勧奨を行うことが求められます。弁護士などの専門家に事前に相談しておくことで、労使間のトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

合意書の内容は説明する

合意書に記載されている内容は、退職勧奨を受ける従業員に対して丁寧に説明することが必要です。

従業員が合意書の内容を十分に理解していないと、退職後に、「聞いていない!強要された。』と訴えてくるなど、トラブルが発生する可能性があるためです。場合によっては、合意書の内容に錯誤があったとしても、退職合意の取り消しを主張されるリスクもあります。

そのため、会社側は合意書の内容を説明した上で、合意書内に合意書の内容を説明し、労働者が合意書の内容を理解したことを明記しておくべきでしょう。

従業員が合意書内容を理解した上で納得して署名することで、後々のトラブルを防ぎ、円滑な退職手続きを実現できます。

複数パターンの合意書を事前準備しておく

複数パターンの合意書を事前に準備しておくことが重要です。

退職勧奨時に退職条件を追加・変更することはよくあります。退職条件の変更の度に面談を一旦終了させて後日再面談をすることは非効率です。後日面談時には、労働者の意向が変わっていることもあります。そのため、複数のパターンの退職条件を用意しておき、臨機応変に対応できるようにしておきましょう。できれば、その場で退職合意書を修正・変更できるような状況を作っておきましょう。

このような対応によることで、何度も面接を行うことを避けることができ、労働者の負担を軽減させながら、合意退職を進めることができます。

合意書の内容を弁護士にチェックしてもらう

退職勧奨の合意書を作成する際、合意書の内容を専門家である弁護士にチェックしてもらうべきです。弁護士は法律の知識と経験を持っているため、法的に有効であるかどうか、紛争を蒸し返さないかなどを確認できます。さらに、合意書に関連する具体的なケースについても、弁護士は過去の事例をもとにアドバイスを提供できるでしょう。こうした弁護士による専門的な支援を受けることで、労使間の紛争を円満に解決しやすくなります。

退職合意書の作成から締結までの4ステップ

退職勧奨のプロセスを円滑に進め、従業員との合意を確実にするためには、一連の手順を適切に踏むことが大切です。ここでは、退職合意書の作成から締結に至るまでの流れを、具体的な4つのステップに分けて時系列で詳しく解説します。

ステップ1:従業員との面談と退職条件の交渉

退職勧奨の第一歩として、従業員との面談を通じて状況を説明します。会社の経営状況や従業員の評価といった客観的な事実に基づき、退職勧奨に至った理由を伝えます。勤怠不良記録や改善指導記録など具体的な証拠を提示し、感情論ではなく客観的な事実に基づいた説明を心がけます。

続いて、退職日や退職金の上乗せ、有給休暇の取り扱いなど、具体的な退職条件を明確に提示します。退職金の上乗せは法的な義務ではありませんが、円満な合意形成のための交渉材料として有用です。有給休暇については、退職日までの消化を調整するか、買い取りを提案します。

面談に際しては、従業員の意思を尊重する姿勢が大切です。結論を急がず、「一度持ち帰って検討してください」と熟慮期間を与えることが重要です。「合意しなければ解雇する」など、強要と受け取られる発言は、退職強要となったり、損害賠償請求を受けるなどの法的リスクを招く可能性があります。

面談は上司と人事担当者の計2名程度で、プライバシーに配慮した会議室で行います。従業員が録音している可能性を念頭に置き、発言には十分に注意を払いましょう。面談日時、出席者、会話の要旨を議事録として記録し、後のトラブルに備えることが不可欠です。

ステップ2:合意内容を書面化する

ステップ1で口頭で合意した内容を、次に書面による退職合意書のドラフト(草案)として作成します。

退職日、退職金や解決金の有無、未消化の有給休暇の取り扱い、会社からの貸与品、業務上の秘密保持義務、SNS等での誹謗中傷の禁止、一切の債権債務を清算する旨など、あらゆる条件を漏れなく明確に記載することが重要です。

作成したドラフトは従業員に提示し、口頭での合意内容と書面上の記載との間に齟齬がないかを丁寧に確認してもらいましょう。結論を急がせたり、十分な検討時間を与えなかったりすると、後々「不本意な合意だった」と主張され、合意が無効となるリスクが生じます。

将来的な法的トラブルを回避するために、ドラフトは弁護士などの専門家によるリーガルチェックを事前に受けておくことを強く推奨します。

ステップ3:従業員に検討期間を与え、署名・捺印をしてもらう

合意書のドラフトを提示した後は、従業員がその内容を十分に理解し、冷静に判断するための検討期間を必ず設けましょう。その場で署名を強要することは、従業員の自由な意思決定を阻害する行為と捉えられ、後から合意が無効になるリスクがあります。退職勧奨はあくまで任意に基づくものであり、強要と判断される言動は避けるべきです。

検討期間の目安は、一般的に1週間から2週間程度が妥当ではないかと考えます。一方で、期間が長すぎると従業員の気持ちが揺らぎ、合意形成が難しくなる可能性も考慮が必要です。

検討期間が終了したら、従業員の最終的な意思を丁寧に確認します。合意に至った場合、改めて合意書の内容を説明し、納得の上で署名・捺印をもらいましょう。もし従業員から疑問点や懸念が示された場合は、再度説明の機会を設け、丁寧に対応することが大切です。

ステップ4:退職届の受理と離職票の手続き

合意書への署名・押印が完了した後も、最終的な事務手続きとして退職届の提出を求めることが一般的です。これは、多くの企業で就業規則に退職届の提出が規定されており、社内規定上の手続きを完了させる目的があります。

次に、雇用保険に関する重要な書類である離職票の発行手続きを進めます。退職勧奨による退職は原則として「会社都合退職」となるため、離職票の離職理由欄には「事業主からの働きかけによるもの」にチェックを入れ、「退職勧奨による合意退職」と具体的に記載してください。

また、社会保険の資格喪失手続きも重要です。退職日の翌日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を年金事務所に提出します。さらに、退職日から1ヶ月以内に源泉徴収票を発行し、従業員に交付します。

退職合意書の相談は難波みなみ法律事務所に

安易に解雇処分をすると、解雇が無効となり、企業側に様々な負担が生じます。これらの負担を回避するために退職勧奨を行い、円満に労使間の問題を解決させようとすることがあります。

退職勧奨の結果、労働者側が退職勧奨に応じてくれて、労使間トラブルを解決できたと思った矢先、退職後に労働者側から損害賠償請求や退職の無効を訴えてくることも珍しくありません。退職条件を明確に定めておかないと、退職後に新たなトラブルを招いてしまい、いつまでも問題社員の対応に手を焼いてしまいます。

そこで、退職勧奨時には必ず合意書を作成しておきましょう。合意書の内容については、弁護士によるリーガルチェックを行い、法的に問題がないことを確認しておきましょう。中途半端な文言を使ってしまい、かえって問題を招くこともあります。

退職合意書の作成で困っている事業者様は当事務所にご相談を。

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