モンスター社員をやめさせるための対応|5つのステップを弁護士が解説

更新日: 2026.02.26
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「モンスター社員がいるのだが、解雇しても良いのだろうか」

「まったく命令に従わないモンスター社員がいるのだが、解雇しても問題ないのだろうか」

と気になりませんか。

結論から言えば、正当な手順を踏まずに、正社員を解雇することは非常に難しいと言わざるを得ません。もしも社員を解雇すれば、裁判や労組(ユニオン、社内労組)による団体交渉など、労働紛争が起こり、平常な勤務をすることはできなくなる可能性が高いです。

今回は、モンスター社員を辞めさせる方法や、解雇が認められるための手順について解説します。

モンスター社員に悩んでいる方はぜひ、最後まで読んでいって下さい。

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モンスター社員をやめさせるためには

モンスター社員を退職させるためには、適切な手続きを踏む必要があります。

なぜなら、手続きを省略して解雇すると、不当解雇とみなされて金銭的な負担が生じる可能性が高まるからです。

まず、問題の把握が重要です。具体的にモンスター社員の問題を把握し、詳細な記録を文書に残すことが求められます。次に、問題を指摘し、改善のための指導やフィードバックを行います。これも文書で記録しましょう。

問題が解決されない場合は、面談を通じて改善策を共有し、再度文書に残します。

さらに、問題が改善されない場合には、口頭や文書で警告を行い、懲戒処分を科すことがあります。これも文書に記録することが重要です。

全ての手続きを踏んだ後も改善が見られない場合は、退職に向けた措置が検討されます。

この段階でも、法的な手続きを遵守して行動することが重要です。つまり、正当な手続きに基づかない解雇はできない、ということです。

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モンスター社員の特徴8つ

モンスター社員は以下の特徴を有しています。それぞれについて解説します。

【モンスター社員の特徴8つ
・上司や従業員に対する暴力・暴言
・業務命令に従わない
・セクハラ・パワハラ
・遅刻・無断欠勤を繰り返す
・社内不倫
・犯罪行為
・能力不足

上司や従業員に対する暴力・暴言

モンスター社員が上司や同僚に対して暴力や暴言を行う特徴的な行動は、侮辱的な言葉や攻撃的な暴言、身体的な手段による暴力、仕事の妨害やチームワークの悪化、不当な圧力、そして感情の爆発です。

例えば、製造現場で気に入らない上司に対してスパナを投げつけ、機械に顔面を叩きつけるといった行為です。これらの行動は職場環境に深刻な悪影響を及ぼします。

業務命令に従わない

モンスター社員は、会社の業務方針や上司の指示に故意に従わない傾向があります。

これは単なるミスやコミュニケーションの不足ではなく、仕事の進行やチームの協力を妨げ、組織の円滑な運営に悪影響を及ぼします。

典型的な行動としては、業務指示を拒否する、仕事を適切に遂行しない、締め切りを守らない、責任逃れをする、などが挙げられます。

最悪の場合、朝一番から喫煙所に行き、喫煙所やトイレで眠るなどして1日を過ごし、定時を過ぎてから残業代を貰うために仕事をするといった具体的な行為が見られます。

これにより、他の従業員やチーム全体が迷惑を被り、業績や効率性が低下する可能性があります。企業はこうした問題行動に対して早急に対処し、適切な措置を講じる必要があります。

セクハラ・パワハラを頻繁に行う

モンスター社員によるセクハラやパワハラは、職場に大きな悪影響を及ぼす行為です。

同僚に対して性的なジョークや不適切な発言を繰り返し、上下関係を利用して部下を侮辱するような態度を取ることで、職場のコミュニケーションや協調性が損なわれてしまいます。例えば、未婚の女性社員に対して既婚者である他の男性社員の子供の写真を見せ「お前も早く子供を産んで辞めろよ」などといった言葉をかけるようなことです。

遅刻・無断欠勤を繰り返す

モンスター社員の特徴は、遅刻と無断欠勤を繰り返すことです。

定刻出勤や業務日程に対して無頓着で、遅刻や無断欠勤が頻発しています。仕事に対する責任感が薄く、他の従業員やチームに迷惑をかけるばかりか、職場全体の生産性にも悪影響を与えています。上司からの指導や注意にも関わらず改善の兆しを見せず、組織の規律を乱す可能性が高まっています。

社内不倫を繰り返す

職場内で他の同僚との不適切な関係を築き、社内不倫を繰り返すことも、モンスター社員の特徴の一つです。

その行動は組織のモラルや倫理観に反し、職場全体の雰囲気を悪化させています。

ただし、注意点として、仮に社内で性行為に及ぶような出来事があり、その証拠をとらえたとしても、自己都合退職をお願いする方が穏便です。

犯罪行為

モンスター社員の特徴は犯罪行為に抵抗がないことです。

業務中に不正行為を行い、他の従業員や組織に損害を与えています。具体的には、横領や詐欺行為などの違法行為に手を染めており、これが組織にとって大きなリスクとなっています。

組織はこれに対処するためには法的な手続きや対策を講じる必要があります。ただし、決定的な証拠をつかんでいたとしても解雇には慎重になりましょう。手続きを踏むことを忘れないでください。

能力不足

能力不足のモンスター社員の特徴は、スキルが致命的に不足していることです。業務において基本的なスキルや知識が不足しており、仕事の遂行が困難となっていることが多いです。

ミスや誤りが頻発し、仕事の効率が低下しているため、組織の業績やプロジェクトに悪影響を及ぼします。

他の従業員やチームがサポートせざるを得ない状況が続き、組織全体の生産性が低下しています。

上司や同僚からの指導やフィードバックにも十分に応えられず、成長や改善の意欲が見られません。これにより、他の優秀な社員のモチベーション低下や組織の競争力の低下が懸念されます。

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モンスター社員を放置する経営リスク

モンスター社員の問題は、個人の問題と捉えられがちです。しかし、その対応を後回しにしたり、見て見ぬふりをしたりすることは、企業全体に深刻な経営リスクをもたらします。以下では、モンスター社員を放置することで企業が直面する具体的な3つのリスクについて解説します。

リスク1:職場全体の士気低下と優秀な人材の離職

モンスター社員による理不尽な言動や非協力的な態度、あるいは攻撃的な発言は、周囲の従業員に継続的な精神的ストレスを与えます。また、自分の仕事を他者に押し付けたり、ハラスメント行為を繰り返したりする問題行動を目の当たりにすることで、真面目に働く従業員は強い不公平感や不満を抱くことになります。

このようなストレスや不公平感は、職場全体のモチベーションやチームワークを著しく低下させます。その結果、本来業務への集中力が阻害され、効率も落ちてしまうでしょう。特に成果を上げている優秀な従業員ほど、会社が問題のある従業員を放置する姿勢に失望し、より良い職場環境を求めて離職してしまうリスクが高まります。

リスク2:生産性の低下による業績悪化

いわゆる「モンスター社員」を放置することは、企業全体の生産性に深刻な影響を及ぼします。モンスター社員の業務怠慢や非協力的な態度は、業務遅延や品質の低下を招き、組織全体の生産性を低下させる要因となります。

さらに、周囲の従業員が、問題社員の業務の補完、指導、あるいはトラブルの解決に時間やエネルギーを費やす事態も看過できません。このため、本来の業務に集中できる時間が奪われ、チーム全体の業務効率が著しく悪化します。円滑なコミュニケーションが阻害されると、情報共有の遅れや連携ミスが多発し、業務全体の進行に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。

リスク3:訴訟などの法的トラブルと企業イメージのダウン

モンスター社員の言動は、法的なトラブルに発展する大きなリスクを伴います。

まず、他の従業員への暴言やハラスメント行為を放置した場合、企業は、ほかの従業員の安全配慮義務違反を追及される可能性があります。その結果、被害を受けた従業員から、精神的苦痛に対する損害賠償請求訴訟を起こされることも少なくありません。

また、モンスター社員への注意指導や懲戒処分が適切でなかった場合、今度はモンスター社員本人から「不当解雇」や「逆パワハラ」を主張され、訴訟に発展するケースもあります。

こうした訴訟トラブルは、報道やSNSを通じて瞬く間に世間に拡散され、「ブラック企業」といったネガティブな評判を形成する原因となります。一度失墜した企業イメージの回復は容易ではありません。

モンスター社員の対応で押さえるべき法的注意点

モンスター社員への対応は、企業秩序を守る上で非常に重要ですが、感情的な判断は法的リスクを招く可能性があります。安易な解雇は「不当解雇」と判断され、企業が訴訟で敗訴する事態も起こり得るため、法的なルールに則った慎重なプロセスが不可欠です。

モンスター社員の対応を検討する際に、企業が押さえるべき法的注意点を紹介します。

客観的な証拠に基づく事実認定を行う

モンスター社員への指導や懲戒処分は、客観的な証拠に基づいて行うことが極めて重要です。感情的な対応にした安易な解雇は、労働契約法第16条に定められる「解雇権の濫用」と判断され、不当解雇として訴訟に発展するリスクを伴います。客観的な証拠の例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 業務メールやチャットの記録
  • 業務日報、勤怠記録(遅刻や欠勤の記録など)
  • 面談記録(日時、内容、相手の反応など)
  • 同僚からのハラスメント等の具体的なヒアリング内容をまとめた陳述書
  • 取引先からのクレームに関する記録

不当解雇をした時の企業の不利益

モンスター社員の迷惑行為に頭を抱えるあまり、安易な解雇を検討するのは非常に危険です。労働契約法第16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という「解雇権濫用法理」が定められています。これは、従業員を保護する目的から、企業が従業員を解雇できる状況を厳しく制限するものです。

このため、実際に解雇が法的に認められるハードルは非常に高いと言えます。もし裁判で不当解雇と判断された場合、企業は以下のような大きなリスクを負うことになります。

・労働紛争に巻き込まれる

・解雇期間の給与を支払う義務を負うリスクがある

・会社の評判を低下させる

それぞれについて解説します。

労働紛争に巻き込まれる

不当解雇により生じる不利益として、労働紛争に巻き込まれるというリスクがあります。

なぜなら、解雇は様々な労働紛争の原因の中でも、最も大きな火種となるからです。例えば、労働審判や裁判、労働組合(ユニオンや社内労組)からの団体交渉などがあります。

また、裁判の前哨戦として、団体交渉が労働組合から申し込まれる可能性があります。他にも、労働局によるあっせん、団体交渉が不調に終わった場合、労働委員会による救済申し立てなどがあります。

労働審判が3か月から6か月、裁判が1年以上、団体交渉も解決するまで続きます。長期間にわたり、裁判所や労働組合の団体交渉、労働委員会の審議に呼び出され続ける日々が続く可能性があるという認識をしてください。また、経営者側は「裁判なんてお金がかかるから労働者側は起こせないだろう」と思いこんでいることがありますが、それは間違いです。労働者側が解雇裁判を起こす場合、収入が途絶えていることもあり、着手金ほとんど(0円から4万円以下というケースもあります)取らない弁護士も存在します。また、労組の加入費なども月1000円程度のものであり、あっせんや労働委員会なども労働者側に金銭的な負担はほぼありません。そのため、従業員を解雇したら、一気に問題が起こると考えておきましょう。

解雇期間の給与を支払う義務を負うリスクがある

解雇期間の給与を支払う義務を負うリスクがあります。なぜなら、バックペイの支払い義務を負う可能性があるからです。

バックペイとは、解雇したときにその解雇が不当なものであると裁判所が認めた場合に、解雇期間中の給与を全て支払うことです。例えば、月給30万円の社員と1年間裁判を争い、会社が負けたら、360万円を支払う必要性があるのです。

また、解雇には仮の保全命令というものもあります。これは、裁判中に解雇された従業員に対して、その係争期間中に経済的に困らないように裁判中の給与を会社に支払うように命令することです。条件が細かくあり、認められない場合もあります。つまり、解雇して人件費が浮くかと思いきや、解雇した従業員に対して給与を支給しなければならないということです。

会社の評判を低下させる

解雇は会社の評判を損ないます。なぜなら、解雇が大きな話題になると、それがメディアやソーシャルメディアを通じて広まる可能性があるからです。

社会の注目を浴びることで、企業の評判に悪い影響を及ぼすことがあります。たとえ知名度の低い会社であっても、解雇の内容が悪質であることや、不当であれば、注目を浴びることになります。

解雇は話題になりやすい重大な行為であり、人材採用にも悪影響を及ぼしかねません。

「逆パワハラ」の主張を受けるおそれ

モンスター社員が指導に対し「パワハラだ」と不当に主張する「逆パワハラ」は、企業にとって新たなリスクとなり得ます。

正当な業務上の指示や指導であっても、部下から不当なハラスメントの主張を受けるケースが増えています。しかし、業務上必要かつ相当な範囲内で行われる適切な業務命令や指導は、パワーハラスメントには該当しません。それにもかかわらず、モンスター社員から、「パワハラだ」と不当な主張を受けることも珍しくありません。

このようなリスクに備えるためには、面談や指導の内容は客観的な事実として詳細に記録に残しましょう。これは「言った、言わない」のトラブルを防ぎ、万が一の法的紛争に備えるための重要な証拠となります。

実際にモンスター社員からパワハラの主張を受けた場合は、感情的に反論するのではなく、冷静に事実確認を進めることが肝要です。場合によっては、弁護士などの第三者を交えて客観的な調査を行うことを強く推奨します。

指導や処分のプロセスを記録に残す徹底

不当解雇などを理由に紛争となった際、企業側の対応の正当性を証明するには、客観的な記録が不可欠です。これらは、企業が適正なプロセスを踏んだことを証明する上で極めて重要です。

客観的な記録には、主観や感情を排し、客観的な事実のみを時系列で記載することが重要です。これにより、問題行動の推移や指導履歴を明確に把握することが可能になります。指導書、注意書、面談議事録のほか、業務関連のメールや本人提出の始末書なども有効な記録となります。

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モンスター社員への対処法|段階的に進める5つのステップ

モンスター社員への対応は、客観的な事実に基づき、段階的かつ慎重に進めることが、法的なリスクを回避する上で非常に重要です。先ほど紹介したように、安易な解雇は不当解雇と判断される可能性があり、企業に多大な経済的負担が生じるリスクを伴います。まずは、従業員の改善を促すためのプロセスを確実に踏むことが、法的トラブルを避ける上での大原則となります。求められる各ステップを着実に履践し、指導や処分のプロセスを記録として残すことは、最終的に解雇という判断に至った際に、その正当性を確保する上で不可欠です。

ステップ1:問題行動の具体的な事実確認と証拠収集

問題のある従業員に対応する際、最初に行うべき最も重要なステップは、問題行動の具体的な事実確認と客観的な証拠収集です。これにより、主観や伝聞に頼ることなく客観的な事実に基づいて対応でき、法的トラブルの回避や指導・処分の正当性確保につながります。いつ、どこで、誰が、何を、どのようにしたか(5W1H)を意識し、問題行動を時系列で詳細に記録することが不可欠です。

ただし、証拠収集の際には、従業員のプライバシー侵害にあたらないよう、細心の注意が必要です。調査や問題行為の記録は、企業の秩序維持に必要な範囲に限り、目的、手段、態様が社会通念上相当と認められる合法的な方法で行うようにしましょう。

ステップ2:定期的な面談と段階的な指導の実施

ステップ1で収集した客観的な証拠に基づき、次は本人との面談や指導を実施します。

指導は、まず口頭での注意から始めるのが基本です。もし改善が見られない場合は、業務改善指導書や注意書といった書面を交付し、段階的に進めましょう。

面談では、具体的な問題行動、それが業務に与えている支障、そして就業規則のどの条項に抵触する可能性があるかを、冷静に伝えましょう。その上で、具体的な改善目標と期限を設定し、本人の認識を必ず確認してください。

全ての面談内容(日時、出席者、指導内容、本人の発言など)は詳細に記録し、書面として保管することが非常に重要です。これにより、企業が適切な指導を繰り返し行った証拠となり、その後の懲戒処分や解雇の正当性を証明する重要な資料となります。

ステップ3:配置転換や業務変更

段階的な指導を重ねても改善が見られない場合、次の段階として、配置転換や業務内容の変更が有効な選択肢となります。これは、当該社員の適性や職場環境とのミスマッチを解消し、本人の改善を促すと同時に、組織全体の円滑な運営を図るための措置です。

配置転換後の業務内容や職務が著しく不利益とならないよう、本人の不利益の程度を十分に考慮する必要があります。不当な目的や動機による配置転換は、権利濫用と判断され無効となるリスクがあるため、十分な注意が必要です。また、配置転換後は、新しい部署での勤務状況や改善度合いを確認するため、定期的な面談の機会を設け、その内容を記録に残すことが重要です。

ステップ4:就業規則に則った懲戒処分の検討と実行

段階的な指導や配置転換を行っても問題行動が改善されない場合、次のステップとして就業規則に基づいた懲戒処分を検討します。懲戒処分は、企業秩序の維持に不可欠な制度ですが、労働者保護の観点から厳格なルールが定められています。

まず、懲戒処分を行うには、就業規則に、懲戒の種類と事由が明確に記載されていることが絶対条件です。この記載がなければ懲戒処分はできません。

種類概要
戒告・譴責文書または口頭で厳重注意を行います。
減給賃金の一部を差し引く処分です。
出勤停止一定期間の就労を禁じる処分です。
降格役職や職位を引き下げる処分です。
諭旨解雇従業員に自主的な退職を促す処分で、応じない場合は懲戒解雇となります。
懲戒解雇最も重い処分で、一方的に労働契約を解除します。

処分の選択にあたっては、問題行動の性質や程度、過去の指導歴、反省の有無などを考慮し、その行為に見合った処分を行う必要があります。「懲戒権の濫用」と判断されないよう、客観的かつ合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。安易な懲戒処分は無効とされる可能性があるため、処分を決定する前には、対象となる社員に弁明の機会を与えるなど、適正な手続きを踏み、そのプロセスを記録に残すことが重要です。

ステップ5:退職勧奨・解雇

問題が改善されない場合や懲戒処分が十分でない場合、社員に対して退職を勧奨することが考えられます。例えば、退職金の増額支給や、給与の半年分から1年分を支給して辞めてもらうという方法があります。社員が「それならぜひ退職したい!」と思える条件を掲示して、気持ちよく退職してもらえる方法を考えてください。ここまでが会社側が問題発生時に単独で対処できる最終段階です。

退職勧奨を行ってもこれに応じない場合には、解雇を検討します。ただし、解雇は労働者にとって重大な処分ですから、解雇するにあたっては慎重に判断するべきです。労働契約法16条において、客観的に見て合理的な理由を欠き、社会通念上相当であることを解雇の条件として規定されています。先述した問題行動の記録、注意指導の記録、始末書の作成、懲戒処分、退職勧奨という全てを行っても必ず解雇が認められるというものではありません。社会通念上相当という部分ですが、解雇処分が労働者にとって重すぎないことが求められます。問題行為の悪質さ、処分歴、反省の有無等を踏まえて、やむを得ないと言える場合には相当な処分と判断されます。

モンスター社員の対応を弁護士に相談するメリット

モンスター社員への対応には、法的な専門知識と客観的な視点が不可欠です。社内で問題を抱え込んでしまうと、誤った指導により不当解雇や逆ハラスメントの問題を招くなど、深刻な法的リスクに発展する恐れがあります。不適切な対応は、問題の長期化を招くことにもなりかねません。

そこで、問題が深刻化する前に、早い段階で専門家である弁護士に相談することが、結果的にコストを抑え、円満な解決へとつながるケースが多く見られます。以下では、モンスター社員の問題を弁護士に相談・依頼するメリットを解説します。

法的トラブルを未然に防ぐことができる

モンスター社員への対応は企業に対して様々な法的リスクを招くため、初期の段階から弁護士に相談することが極めて重要です。トラブルが顕在化してからでは、解決に多大な金銭的・時間的コストがかかります。そのため、問題が小さいうちに「予防法務」の視点から専門家のアドバイスを得ておくことが大切です。

弁護士は、指導、厳重注意、懲戒処分といった会社側の対応が法的に妥当であるかを客観的に判断します。企業が取るべき具体的な対応手順についても、法的リスクを最小限に抑えるための助言を得られます。弁護士から得られる実践的なアドバイスは以下の通りです。

  • 客観的な証拠収集の方法
  • 面談の適切な進め方やロールプレイ
  • 就業規則に則った懲戒処分の選択
  • 懲戒処分を行う際の取るべきプロセス

また、モンスター社員への対応の根拠となる就業規則や社内規定に不備がないかを確認してもらうことも可能です。法令遵守の観点から内部規則の改訂が必要な点があれば、それを適宜指摘してもらい、ハラスメント対策や労務管理の整備を通じて、将来のトラブルを予防し、健全な職場環境の構築支援も得られます。

問題が深刻化した場合の具体的なサポート

指導や懲戒処分、配置転換を重ねても問題社員の問題行動が改善せず、退職勧奨や解雇を検討する段階では、弁護士の具体的なサポートが不可欠となります。弁護士が会社側の代理人として本人と直接交渉することで、企業は感情的な対立を避け、法的に公正なプロセスで問題解決を図ることができます。退職勧奨の進め方や解雇の妥当性についても、法的助言を得ることが期待できます。

万が一、問題社員から不当解雇などを理由に労働審判や訴訟を提起された場合でも、弁護士は会社側の代理人として、法的手続きを全面的にサポートすることができます。複雑な裁判手続きや専門知識を要する対応も、経験豊富な弁護士に依頼することで、企業は本業に集中いただけます。

モンスター社員の対応は弁護士に相談を

モンスター社員を放置することは社内の雰囲気を悪くし、結果的に、業務効率の悪化を招きます。かといって、無計画な解雇処分をしてしまうと、代理人弁護士から連絡が届き、パックペイ等の経済的負担を強いられます。それ以外にもたくさんの負担も生じます。

モンスター社員の対応はあらかじめ弁護士に相談しましょう。

初回相談30分を無料で実施しています。面談方法は、ご来所、zoom等、お電話による方法でお受けしています。

お気軽にご相談ください。対応地域は、大阪難波(なんば)、大阪市、大阪府全域、奈良県、和歌山県、その他関西エリアとなっています。

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