配置転換を拒否された解雇できるのか?拒否された場合の対応3点と拒否できるケース

「配置転換を拒否された。従業員を解雇することはできるのだろうか」

と気になりませんか。

結論から言えば、配置転換を拒否したからといって、簡単に解雇ができるわけではありません。

解雇処分は、社員の身分を一方的に奪う処分であり、非常に重い処分です。そのため、配置転換の拒否を理由に解雇する場合には、配置転換が、本当に必要なものであり、社員に重大な不利益が生じないことが必要となります。

逆に、配置転換に業務上の必要が乏しい、不当な目的の配転命令であるなどの場合には、配置転換は有効なものではないため、その拒否を理由とした解雇も無効とならざるを得ません。

この記事を読めば、その拒否を理由に解雇することが許されるのかどうかについて理解することができます。社員に配置転換を拒否されて悩んでいる方はぜひ、最後まで読んでください。

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配置転換の拒否を理由に解雇できるか

配置転換の拒否を理由に、場合によっては解雇することが可能ですが、容易に解雇することはできません。

なぜなら、その拒否が正当なものかどうかが問われるからです。例えば、業務上の必要性や動機の正当性、従業員が受ける被害の程度などが検証されます。つまり、その命令が企業の正当な人事権の行使に基づいているかどうかが重要です。また、正当な手順を踏まずに解雇した場合、訴訟に発展するなど、労働紛争が勃発する可能性が非常に高くなります。

配置転換とは

配置転換とは、労働者の配置を変更することであり、その際には職務内容や勤務場所が相当の長期間にわたって変更されます。同一の勤務地(事業所)内での勤務箇所(所属部署)の変更が一般的に「配置転換」と呼ばれ、勤務地の変更が「転勤」と呼ばれることがあります。

日本の企業では、特に長期的な雇用を予定した正規雇用労働者に対して、職務内容や勤務地を限定せずに採用されることが一般的です。これにより、企業は労働者の職業能力や地位の向上、労働力の補充、組織の調整などを目的に、広範囲な配転を行うことがあります。

しかし、配転が行われる際には、従業員の生活や家庭に大きな影響を与える可能性があるため、企業は慎重に計画し、従業員との適切なコミュニケーションを図ることが求められます。

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配置転換の法的な根拠

配置転換の法的な根拠は、労働契約における「業務命令」、または企業の「人事権」により規定されることがあります。企業は人事権を有し、これに基づいて採用、昇進、配置転換、異動などの人事判断を行うことができます。ただし、この権利の行使には法的な制約があり、濫用が許されません。

また、就業規則に配置転換等の業務命令を拒否した場合は懲戒解雇をするといった文言がない場合には適用できないことを認識しておきましょう。

配置転換できる条件とは

配置転換は、企業が経営合理化や業務の効率化を図るため、あるいは適切な人材配置を確保する目的で行われる一般的な人事処遇の手段です。

しかしながら、配置転換は無制約に行うことはできません。まず、配置転換の背後には業務上の必要性が存在しなければなりません。これは例えば企業の業績向上や生産性の向上、組織の適切な人材配置などが挙げられます。

さらに、配置転換が権利濫用にあたる場合、つまり、他の不当な動機や目的がある場合、そして労働者に通常我慢するべき程度を越える不利益を負わせる場合は、無効とされる可能性があります。

判例では、特に退職を促す目的での配置転換が違法とされることがあります。合法的かつ適正な配置転換を行うためには、従業員との適切なコミュニケーションや法的手続きの尊重が求められます。企業はこれらの条件を考慮しながら、配置転換を行うべきです。

配置転換を拒否された場合に取るべき対応

配置転換を拒否された場合に取るべき対応として、以下の対応があります。

・個別面談を行い説明を尽くす

・給与等の労働条件を見直す

・懲戒処分をする

それぞれについて解説します。

個別面談を行い説明を尽くす

配置転換を拒否された場合、必ず個別面談で説明を尽くしてください。

なぜなら、説明を尽くしたかどうかで、解雇が有効かどうかの判断が大きく分かれるためです。解雇は経営者による労働者との労働契約の一方的な破棄となります。解雇を回避するために企業側はどれだけ努力をしたのか、という点が裁判では厳しく問われることになります。特に正社員の労働契約は強固なものであり、何度も説明を尽くしてやっと「解雇回避のための努力は尽くされている可能性がある」という判断になります。

退職強要にならないように注意しながら、最低でも3回は本人と話し合いの場を直属の上司と持ってもらうようにして下さい。頑張って説得を続けているうちに「そこまで期待されているのなら」と思い直してくれる従業員も多いです。このように説明をしていく段階から、裁判移行したときのことを考えて行動しましょう。

給与等の労働条件を見直す

転勤予定の方の給与等の条件を見直すようにしてください。例えば、住宅手当の支給や、海外赴任であれば子女教育手当を支給するなど、家族ごと「これなら転勤についていきたい」と思えるような思い切った給与増額を提示することも重要です。

転勤を拒否している従業員は企業秩序を乱そうなどとは思っておらず、生活面での不安から拒否していることも多いのです。従業員の気持ちに寄り添うようにしましょう。

懲戒処分をする

正社員が特別な理由なく配置転換を拒否している場合、就業規則に基づき懲戒処分をすることができます。

ただし、昨今では、労働契約法の改正などにより、従業員の生活にしっかりと配慮した企業運営が求められる傾向にあります。特に、正社員の家族に病気の方がいる場合や、要介護状態のご家族がいる場合などには配慮が必要となります。

必ず、正社員の状態を把握してから懲戒処分を検討してください。特に本人が怒る場合よりも家族の恨みを買うと一気に訴訟に発展する確率が上がることに注意しましょう。

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配置転換を理由に解雇できる条件

配置転換の拒否を理由に解雇ができる条件として、懲戒事由として明記されていること、配転命令が有効であることが必要です。

まず、就業規則に拒否した場合に懲戒解雇となる旨を明記する必要があります。

また、労働契約書で勤務地や職種を限定する合意がないことが条件となります。これらの条件を最低限満たした上で、さらに、配置転換が業務上必要であり、従業員を退職に追い込む不当な目的がなく、労働者に甘受できないほどの不利益がないと裁判所が判断すれば、解雇が認められる可能性があります。

配置転換を拒否できるケース

配置転換を拒否できるケースは、以下の5つです。

・地域・職種限定の雇用

・配置転換を行う業務上の必要性が小さい

・配置転換による社員の不利益が大きい

・不当な目的で配置転換する場合

・配置転換が法令に違反している(男女雇用機会均等法)

それぞれについて解説します。

地域・職種限定の雇用

地域や職種が限定されている社員の人事異動は、拒否することができます。その特定の勤務地や職種で働くことを前提とした契約を結んでいるからです。特定の地域や職種で働くことを前提とした契約が存在する場合、それに基づいて雇用された社員は、特定の地域や職種において労働することを合意したと見なされます。そのため、人事異動がその契約条件に反する場合、社員は異動を拒否することができます。

このような場合、人事異動が契約違反となるかどうかは、契約書や就業規則に明記されている条件によります。特定の地域や職種での労働を約束している契約書や就業規則が存在し、それが違反される場合、社員は合法的に異動に反対する権利があります。

配置転換を行う業務上の必要性が小さい

配置転換を行う業務上の必要性が小さい場合、人事異動を拒否することができる可能性があります。なぜなら、人事異動は、業務の適正な遂行や組織の効率向上を目的として行われるべきだからです。業務上の必要性が低い場合、拒否権が認められることがあります。

配置転換による社員の不利益が大きい

配置転換による社員の不利益が大きい場合、従業員は人事異動を拒否できる可能性があります。なぜなら、家族介護や病気治療などやむを得ない事情がある場合、裁判所は理解を示すことがあるからです。特に従業員本人や家族の病気、介護など、やむを得ない事情がある場合、配置転換による不利益が大きいとき、従業員は人事異動を拒否できる可能性があります。

不当な目的で配置転換する場合

不当な目的で配置転換を命じている場合は、その配置転換そのものが無効となります。例えば、従業員を退職させるために異動させるなど、不当な目的や動機がある場合、裁判所は配置転換を無効と判断することがあります。法的には、人事異動や配置転換は業務上の必要性に基づいて行われるべきであり、濫用が認められる場合には無効とされることがあります。

配置転換が法令に違反している(男女雇用機会均等法)

女性のみが不利益を被るような配置転換命令は、拒否されます。なぜなら、男女雇用機会均等法に違反するからです。例えば、職場結婚をした場合に、女性のみに一方的に配置転換を強いるようなケースです。女性だけが男性よりも不利な扱いを受けるような配置転換は避けるようにしましょう。

配置転換を拒否する社員の対応は弁護士に相談を

社員が配置転換を正当な理由もなく拒否する場合、懲戒解雇も視野に入れざるを得ません。

懲戒解雇をすれば、解雇無効の裁判に発展する可能性も高く、企業には様々な負担が生じかねません。

解雇をするにあたっては、配置転換に業務上の理由があり、労働者の不利益が過大ではないかなど、十分に精査をした上で、労働者に対する説得に努めるべきです。

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